2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

じっとみつめている

叫びそうになる日がある。頬の周りが固くなって動かない、叫び出したいのに声が出ない、身体は震えてひどく汗ばみ、指先の隅々まで不安が鋭く走って、肌を裂けばようやく叫びになるような、そんな日。 息を呑んでひとつも漏らしたくない日がある。肺に侵入し…

くちびるをみがいて

友人に会うまで時間があると思っていたところ「暇ならどう?」と友人、「ok」とわたし。友人に会い更に友人と合流したのち、友人と友人に笑って手を振って友人に会い、そして友人と別れた。どうにも傷ついたような気持ちになっていたので、「寄り道してから…

だんぼ

ダンボールで指を切った午後、すぱっとした切り口からは血らしい血の気配はない。埃っぽかったので手を洗い木でできた救急箱を開く。そしてダブルのティッシュペーパーで受け止めるようにしながら消毒液を垂らした、久し振りの行為をしていると思った。そし…

安らぎを待って草臥れていこう

これは昨日読んだ本。本屋で見かけて手に取り、最初の段落を読みこれは好みな気がすると詩歌を手に取るように読んだ。 レプリカたちの夜 作者: 一條次郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/01/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る ゆ…

やっぱり、ちがう。ああ、けれども私は

わたしはただ安心がしたいのだ、とぐらぐらの情緒をゆらゆら渡りながら思いついた。もちろん比喩で、現実の行為としてはコピー機を何時間も連続稼働させ、吐き出された紙を数枚まとめて左上にホチキスを打ちこんでいた。 ずっと自分は自分の感情がよくわかっ…