2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

紛失しても取り乱さなかったよ明らかに守られてたから

指定された場所に向かいがてら、ちらっと見えた瞬間に「細い」と思った。実際の体型とはきっとまた別の何かなのだと思う、主線の太さを調整されたような雰囲気。線の細い印象や視線の動かし方、話すときの些細な抑揚なんかから吸い上げるまできっと10秒もか…

スリーコードで君を助けにきた

昨日は有史以来42回目(いや43回か、どこを起点にするかはいつも悩んでしまう)の、そしてわたしにとって12回目の。あなたの見る夏はわたしの世界を何度も何度も編み上げる。 ::: 散々書いていることではあるけれど、わたしはとにかく諦念が強くて、もは…

腐食を重ねる街

自分は酷いにんげんだな、と思ったという話。自分のことなんてわたしがいちばんわかっているのにね。思いあがってしまったな、みんなそんなに暇じゃない。この世界でいつまでも自分だけが遊び人のような気がしている。わたしだけが振り落とされて、ずっとひ…

君との符号はとても早い速度で僕を包むから

動悸もひどいし呼吸も浅いしで散々な夜だった。もう軽度のトラウマといって差し支えないかもしれない、命の前に跪くばかりの脳をしていて、膝は痣にまみれて黒く変色している。そしてまた痣が身体に残りやすい体質だものだから、ずっと黒い膝で生きてゆくほ…

さぼてんもどき

「私のために埋め立てまでしたくせに、雨が降ってるのだけ詰めが甘くて納得がいかない」と、世界の真ん中を歩きながら君は言った、「でもきっと何か意味があるはずなんだ、私のために起きてる事象なんだから」。雨づく平日、閑散とした台場での話。 ::: …

グランドクロスとか言われたって

いちばん最後にいまこの行を書いている。とにかく不調の日だ、何が起きても哀しいらしい。横断歩道で待っているのにいつまでも車が停まってくれないからと泣きそうになったし、ようやく停まったので渡ろうという段になったら次は背中を丸めて小走りで会釈し…

午前4時、嚥下する前に気づいて美しい眠りを吐き出した

夜通し歩いた、去年もそうしたように夜通し歩いた。去年は夜通し歩いたのち、新宿の安くて破廉恥なレンタルルームで鏡に囲まれながら仮眠をとって、彼岸花を見に行ったのだった。彼岸花を見に行ったということは同じ季節かと気づいたのは夜通し歩き終わった…

あなたのことを避けて生きたら何がわかるの何がわかったの

そんなつもりはないのに自然と選ぶ音楽が秋めいている気がして、なんだか恥ずかしくなってしまった。ほんのひと月ほど前は体温ほどもある気温に境目が曖昧になってとろけてしまっていたのに、今はもう寒くて、自分の個体の限りを思い知らされている。早寝を…