数えて二人の愛の死線を


パーマを当て直してきた。くるくるのふわふわでもこもことなった。グランディオーズの呪いこと右目の痛みはおおかた消えていて土曜日はなんだったのだろうかとさえ思った、身体は賢い。わたしとは大違い。

 

 

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大アルカナのカードを集めて神経を丁寧に張り巡らせて1枚選んだら、星の逆位置で笑ってしまった、wikipedia曰く「失望、絶望、無気力、高望み、見損ない」。

その盤面には太陽も月も出ていて、天体3枚が見事に揃った。月は逆位置だったので多少はよかったと思う。わたしは月という天体が好きなのだけれど、タロットではあまり明るいカードではない。月は惑わすもので不安などを示す、ということになるらしい。占星術にしても解釈は様々で、自らの欠損を示す天体という読み方もあるのだそうだ。
自分の光で輝かない星、太陽の威を借る虚飾の星。でもどんな読み方をするにせ、蔑ろにはできないウェイトの大きい星。

昔から月が好きだ。どうしてかわからないが無性に惹かれてならない。それが太陽の反射光に過ぎないのだとしても、それならとっくり見つめられる稀有な太陽光であるということだよね。そうそう、今日30日は満月で、かつ半影月食なのだそうだ。地球の影が月に落ちて一部が暗く見えるらしい。こんな風に関与できる天体はそうないでしょう、知らないだけかもしれないけれど。




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弱音を吐きそうにもなる。最初からずっとわたしだけが間違えているのではないか、わたしだけが宙に浮いている不要なものではないか、いやきっとそうに違いない、わたしが不要でないはずがない、そしてわたしだけがそれを知らないでいるのだ、なんて恥ずかしいんだ!
と、こういう方向に思考を転がすのは実に簡単なことであるので大人なわたしは一旦ストップをかけることもできとってもクール。それにきちんとわかっている、瞬間に理解したことがどれだけ正しいことなのか。わたしの身体、言い換えるなら直感は賢い、わたしは直感だけが賢い。あとは大体騙されやすい、暗示に弱いし催眠術は案の定めちゃくちゃかかりやすかった。脳は非常にあてにならない。

弱音を吐いてばかりもいられない、でも深呼吸って吸うより吐くほうに意識を向けたほうがいいんだって話だよ。貝だって砂を吐く、このような文字たちだって砂とそんなに変わらない。

 

でも、それでも、今日はだめな日です。仕方がないよ、そんな日もある。たぶん11月最後の日だから。満月の日にしょぼくれているのは随分と久し振りな気がする、満月は無条件で嬉しくなるもの。嬉しくなるのにな、それさえもなんだか哀しい。たぶん11月最後の日だから。


今朝目が覚めたらとても寒かったから、12月に入ったら出そうと思っていたコートを前倒しして着た、週の頭だしね。たいそう気に入っているチェスターコート、見ているだけで嬉しくなる。春は4月の半ばまで着ていた記憶がある、着て行ったのを覚えているんだ。衣替えがひどく苦手で、いつもうまくできない。




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ヤプーズのNOT DEAD LUNAを繰り返し聴いている。塩酸を飲んだし頸動脈も切ったが死ななかった女は、そのあとに五階から飛んだし信号も無視しただけど死ななかったと言うが、順序が逆ではないだろうか、などと、野暮。

「そして急に恋に落ちた 夢中になった もうガンガンに愛し合った 幸せになった」の4文のスピード感が好き。あの曲の歌詞は短いのにとんでもないスピード感で得たり失ったりしていてすごいなあ、非常に強い曲。

そう、今日は戸川純のバースデイライブの振替もあるらしい。本来は3月だった、そちらのチケットは取っていたが、延期延期となっていたのだ。今日に振り替えられていたこと、チケット発売は改めて行われていたことは少し前に知ったばかりで、整理番号1桁だったんだけどな。新宿loftの箱売りチケット、今までたくさん買ってきた箱売りチケット。満月の夜。




月という天体を見失うことはあまりなかった、月だけはそこにある、月が好きだ、晴れてさえいれば見られるもの、白い光は綺麗だもの、赤いときや黄色いときもあってそれも楽しい、毎日変わって繰り返して飽きない、ざわざわする、月のことは信じられる感じがする。

 


吸い上げた空気で肺が冷えたのにびっくりして息を吐いた今朝、吐息が白いことを発見したのだけれど、少し前から白かったよって言われたから、たぶんコートを着ないと見えない色だったのだろうなって思った。

 

水気が多すぎる上に霜月だものね、結晶化してぽろぽろ落ちて仕方がない。でも、今日で終わるから。そんなことより月を見ようよ、そうして月に見られてしまおう。見ててね。