新潟ままかり発見伝

 

漫画やアニメのバトルシーンでたまにみる、主人公が自分の武器や庇っている人物なんかを一旦放り投げたりして、身軽になった隙に敵に攻撃、何事もなかったかのようにまた武器や人物をキャッチしてフィニッシュ、みたいな場面が好き。大胆かつ緻密な最短ルートといったところがロマンですよね、ときめく。

あの大切なものを放り投げる間にカタをつけるやつ、わたしもやりたい。やろっと。あなたもやってよ、だって見たいんだもん。

 

 

 

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年に2-3度ほどすれ違う友人がいて、いつもなぜか怪我や病気をし、時にはカジュアルに生死を彷徨っている。白血病をやったときなど痛快だった、気が滅入って仕方がないからと常にアロハ服にサングラスで病室にいた。体格にも恵まれているのでかなりの輩感。それで安静にするのがつまらないとこっそり筋トレを続け、退院後はなぜか入院前よりマッチョになって戻ってきた。
しかし、思えば1年以上すれ違っていなかった。ふと気になり生きているかと声を掛けてみたら、6月頭に出産の予定があるという。

 

「新しい動物飼うときとやることはあんまり変わらなくて、まずは適切な温度と湿度を調べたら大体ヤモリと同じくらいだってわかったから特に環境の準備は難しくない」

 

麻雀牌がぎっしりプリントされた柄シャツ、なぜかますます筋肉質になっていてもはや巨体だ。少し触らせてもらったけれどどこからが肩なのか大きすぎてわからなかった。

「自分は女の身体だけど性自認は男性っぽくて、それでAセク気味なところがありつつ、嗜好はゲイだからうまくはまった気がする」と愉快げに話す、「どうして10年付き合ってるのに同居も結婚もしてくれないの、って泣かれたからしゃーないかってねえ。周りには結婚とか出産の概念あったのって驚かれまくってる」。

身重の女なんぞ知らんと言わんばかりに会社から放り出されたという、ブラック企業を数多乗り越えてきた友人は笑顔で中指を立てていた。暇になったし、近所の木材屋で端材貰って日本画描いたら面白いかなと思ってるとのこと。

 

 

 

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わたしはあくまで楽しく生きるつもりでいるし、絶対に幸せにしかならないように出来ている。

このたびはご清聴どうも有難う、だらだら話してごめんね。わたくしの知る限りの総てを見回して思うのだけれど、そう、やっぱり大きく間違っていないと思う。「未来のあなたは後悔していない」と言う言葉の心強さを覚えているもの。悪く言われることだけが耐え難い、ゆえに煮詰めて考えてみればこれは全部罪悪感とかそういった錯覚の賜物なんですね。

 

こうやって日記を入力するフォームには、書いてみたけど結局日記にならなかった数行がたくさん残っているのだけれど、「わたしは彼の誠実さを、誠実でいたいという気持ちを疑ったことがない。そもそも彼のことを疑ったことがない、わたしがひとりで不安定になることがあるだけだ。」と書きつけてあるのを見つけた。そうだよ、本当にその通りだ。

たぶん2月あたりに「気が向いたら誠実であることについて話をするね」と書いたっきりだったことを思い出したけど、やっぱりそれはまた気が向いたらにするね。

 


時期は外しちゃったけど、ときめく「桜」川本真琴です。

「かたっぽの靴が コツンってぶつかる距離が好き ねぇ キスしよっか」

「"恋してる"ツアー1998」というツアー名、とても素敵。