先輩とわたし


「夏ってさ、なにがある?」
「え、?」
「だから、夏」
「……白玉」
「へ」
宇治金時、かきごおり」
「いつでも食えんじゃん」
「確かに…蝉とかも地中にいるし。そう思うと難しいっすね」
「うん」
「先輩はなんだと思います?」
「しらねーから聴いてんだよ」
「……」
「あ、夏コミ」
「あ、じゃあサマソニ
「おー野外ライブか、それっぽい」
野音は一年中ありますけどね」
「夏」
「……じゃあ、春は?」
「花粉」
「……花粉症なんですか」
「……」
「それなら秋は?」
「ん、読書」
「いつでもできるじゃないすか!」
「読書の秋っていうじゃん」
「いつでもできますよ!ていうかいまわたし読書してましたけど」
「……贅沢言うな!」
「……」
「あ、思いついた」
「え?」
「夏の雨と掛けまして、俺の心と解きます」
「その心は?」
「やみやすい」
「……面白い。」
「謎掛けって楽しいのよ」