マタニティ、饒舌に絶唱。

【手始めに韻踏みあそび】
遺棄死体を生き慕い、息したい。


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以下、文法の存在しない不格好な習作を連ねるものとする。


【プロローグ】
先生にいってやろう、あららこららと指をさされて髪をかきむしるところから以下の散文はスタートする。「発狂チャンネル」に設定。
ところで、君は映画カリガリ博士を見たことがあるか?ホラー映画であるためにきちんと拝見したことがないのだが、cali≠gariというバンドを引き合いに出すまでもなく有名な映画である。映像美、最後のどんでん返し。鳥肌ものである。本当に、古さを感じない。ちなみに密室系の化粧のルーツもここにあるのではないかと推測する。なんて結局バンドを引き合い出してしまった。そんな雑談をしている間にプロローグは幕を閉じる。長すぎた前巻までのあらすじの終了。



【チャンネルはそのまま!】
→CM明け

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ。」



殺意という感情をギリギリまで張り詰めて「愛しているよ」なんてことばあそびは笑えない
恋愛なんて売春ごっこ。君の首吊り姿がみたいと切に思った27時。したいにしたい。みたいのみすい。

ふたつがひとつひとつがふたつ!僕の輪郭を僕はまだ思い出せない。僕は誰、でも誰にでもなれる!素敵!ブラボー!ファンタスティック!……ハロー、メランコリック


無自覚に癒着した肉と肉を裂いてしまえばどれだけ楽だろう
あまりに胎内に蓄えすぎました。性行為もせずに着床。さて、ぼくはだれでしょうか。
母親はおよそ10ヶ月わたしを孕んでいた、あの頃彼女の栄養はわたしのものだった。一心同体だった

ではぼくは?きみもあなたもあのこも孕み続けたぼくは?
精神論に「孕む」という概念は存在しないのだろうか、流産を繰り返すしかない夜中。


流産妊娠流産妊娠流産流産流産
オートで嘔吐!吐いた排他吐いた!

(※帝王切開が確立される前の物語である、と付しておく。)



【神は己の中に。】

羊水が悪いのです。洪水のように、ぼくはぼくの神、でも間抜けだから方舟つくれとか言い忘れてる。すべてが消えてゆく。どこへ?そう、羊水は胎内へぼくのなかへ

いままで何度世界を清掃しましたか、わたしの胎内はゴミ溜めではないのですが、それは御存知でしょうか?
でも果たしてどれがゴミだっていうんだ?総て大切だろう総て。痛みも苦しみも。それは間違いなくぼくだろう?

わからない、わからない僕は今日も孕み続ける。胎が重い。自分の羊水で溺死する日はいつなのだろう。



【使い古された台詞回し】

血を流すように、流した血と同じだけ羊水がせりあがってきて、わたしの血は赤いのですか?
わたしは発注ミスかなにかで、指先まで羊水だったりしませんか?
だったら生き苦しさにも説明が付きます、剥がれた瘡蓋から赤いものが流れ出す。
わたしの羊水は赤いのでしょうか、「ヘモグロビン!」殺されそうだ。


羊水に溶かし込んだ「愛しているよ」の血中濃度(便宜的に血と表記する)は、とうに致死量。オーヴァードーズ!しまった!

胃洗浄を恐れて注射器でキメちゃうひとびとと僕の違いを探し出す作業。歪に波打つ胎。胎で吸収する僕に胃袋はついているのだろうか、解剖してくれないか。


どこもかしこも愛しさしか存在し得ない。
自身ですら重みに耐えかねるのだもの、誰か受け止めるという。受け止めたそのひと自身も飲み込んで溶かし込んで膨張膨張膨張。潰してしまう。引き摺って歩く僕、ひとり。




【追伸】、
あなたに覚悟があるのなら羊水を抜いてくれ、吊し上げて放置してくれ、それって鳥葬?なんか素敵!ブラボー!ファンタスティック!……ハロー、



【エピロ
お気付きだろう、このはなしはループし続ける。抜け出せない羊水からの叫びは胎外には届かない。しかしこの独白が胎内からの叫びだという確証は?諸君等の解釈に委ねるほかない。
畢竟するに、ループで閉じたこれにはエピローグなど存在し得ないのである。
ーグ】
   /上記の数行は削除。



 -あとがきに変えて

【スクープ!白痴に問う、しょうらいのゆめは?】
ひもの!あじのひらきみたくなりたいです。







御清聴、誠に有難う御座いました。

(既に聴衆がいないことに気付かない語り部は盲目)