セックスと憂鬱のことばかり考えていたあの頃に比べて、随分と風通しがよくなったなと感じる。
ずっと音楽を好きでいる。ずっと音楽を聴いている。色々なものを聴くようになったけれど、セックスと憂鬱のことばかり考えていたあの頃によく聴いていた音楽、今でも当たり前のように聴くよ。




「耽美って何?」と尋ねられたので、「例えば道端で拾った片腕をシロップ漬けにして、それをぼうやり眺めているような鬱屈した甘え、憂鬱な雰囲気、噎せ返るほどの湿度を持った粘度の高い幻想文学ようなものじゃないかな」って答えた。
滝本晃司のことをふと、考えた。