暴かれた世界は


夢を見ました、狐につままれるってこういうことなんだ。
たぶん、なんかもうひとつくらい、魔法を覚えました。死神に魂を売るってきっとこんな感じ。
或る日唐突に視野がひらけるのでしょう、引き換えに得た、若しくは失ったものは大きい。だとかね。


最近変な夢ばかりだ、起きて着替える夢とか。
着替え終わって、さて化粧するかーって思ってたら目が覚めるんだもん。
夢のなかで時計も見てたのに、あの30分はなんだったんだろう。
そうやって日々バイトに遅刻しそうになるのです。ドンマイ都。


今の空を見てたら、世界はなんでもあるのかもしれないと思った。
いいコバルトに、真っ白で程よく丸い月が浮かんでる。
こう打ち込んでる間にもトーンが上がってく。
ふと振り向けば、夜明けはあっちか。綺麗な水色だ、水色か、ブランキーを聴こう。
カラスのシルエットに染み入るんだから駄目だわね。夜明けを見守ったら眠り直します。
月ってなんでこんなに明るいの。

今、目の前でひとが死んだらわたしどうなるんだろう。見てるんだろうか、泣くんだろうか。

これか、世界の終わりと夜明け前って。いにおちゃん。
そうだ昨日?一昨日?素晴らしい世界の完全版買いました。改めて面白かった。
でも「世界の終わりと夜明け前」の「東京」ってはなしは、なんだか、いつも読みながらウッてなってた。
あのときのどうして泣いたり泣きかけたりしたのか、今ならわかる。今から読むか。


酷く重たい朝だな。

キネマ倶楽部、三度しか行ってないキネマ倶楽部を思い出してる。たぶんあそこには詐欺師がいる。

それで最後だと僕は聞かされる
紅茶飲み干して君は静かに待つ

わたしの家の近くには小さな墓地があって、つまりこの目の前の墓地には、殺されたひとなんかも眠っているんだろうか。
ホラーと肉体切断と自殺が苦手。
自殺に関しては、死因を添えてくれればいい。
ニュース、過去のニュースを漁ると出てくる、「その後、男は自殺しました」、この簡素な響きが駄目。怖くて仕方ない。
「首吊りで」「心臓発作で」或いは「いじめを苦に」「無職をきっかけに」これがあれば大丈夫。
理解の範疇を超えたこと、わからないことはいつだって脅かし続ける。

ねえ神様これは禁忌だ。僕、聴いてない。ぞっとしない。夢なんて無邪気で残酷だ。こんな方法しか、でしか。


朝になったよ。結局写真に写らないから絵を描くんだと思う、そんな朝日だよ。
油彩が似合うね。分厚いな、これは紛れもなく空色。水色でも青でもない。

小さい頃、32色の色鉛筆を貰った。あかむらさきがお気に入りだった、今思い出した。


東京には空がないというのは、実は真っ青な嘘。
ビルにのぼればいくらでも千切って持ってこれるんだ。狡猾な僕らは知っている。


気付けば思考がぬかるみにはまっている。

ずぶずぶずぶ、蝕んで、蝕んでいる
おはようこんな夜明けに君に会えて良かったよ

論理ってすげーな。感情が付け入る隙がない。
そうだわたしはそれが哀しいんだ。それに対して考えることしかできない。これがルール。
完膚なきまでに打ちのめされた。肌で知ったって奴。

なんでもいいから愛してるって殴れ。憎たらしいって殴れ。
感情の根本にある理不尽さが僕を安心させるんだきっと。0か1かなんて苦しいはなしだ。


夏の朝だ、紛れもなく。もう少し眠りたい。
体感なんだけど、夏の空って高くはないと思う。果てしなく広くて浅い。冬の空は深い。
地球は丸いし、プラネッタリユムはよくできてるよ。寒い。生きてる。

なぜ論理ってこんなに圧倒的なんだ。これはきっと挫折という感。過ちが欲しい。
わたしが数学できない理由がなんとなくわかったよ。
でも察したのは、論理はとてもグレーを行き交うということ。
それを白黒振り分ける道理、それを作るのは心理。口上文句。買言葉。打算。それが【理由】。


考えが散逸するのは睡眠不足がゆえだ。眠りの軌道に乗れない。


忘れないうちに、高2の今頃の自分へ。


君は今から挫ける。08月には虚無感で薬の多量摂取をしようかとギリギリの淵にいく。死にたいんじゃない、思考を止めたいと思うがゆえに。そういう出来事が今から起きる。
さらに君は泣きながらヘルプコールの乱れ撃ちを、片っ端からヘルプコールを、だけどそれはちっとも間違ってない。感謝してる、心から。
そしてこれは偽りなんかじゃない、僕は君の詐欺師じゃない、君だ。
綺麗で健やかな肉体を、どうかそのまま守り抜いて。愛しているよ、手を伸ばして口を開けば救われるから。
君はそのうち愛される。いずれ愛されてしまう。僕だって、きっといつか愛されにいくよ。

これだから生きるのってやめられないんだ、もうやみつき。
紙の上に広げられたそれを食い漁る僕は本当に紙魚のようだね。