きっと最後のラヴレター

付き合うようになった経緯はわたしだけの話じゃないから書けない。君は弱っていた、それをほじくり返すつもりはない
だからこの手紙は、付き合い始めたところから。


いちねんて、長かったようであっという間で
100を越えるキスをしただろうね、例えば口移しでリキュールを飲みながら。月を見ながら(見られながら)
何枚のCDを借りただろう、何本のライヴに行っただろう


あたしは恋愛が怖い。男は肉欲しかないと思ってた
なにより付き合った日から今日のことは見えていたし、あたしを好きになるなら、あたしは最後にしたかった。
だからはじめは恋愛しないようにしてた、手繋げれば幸せ、にしようって。望んだら破綻するのは見えていたもん


カラオケには足繁く通ったなあ
わたしに、きみは、今でもあの視線は忘れないけど、目を見ながら熱唱してくれたね
「ロックとハニー / スパルタローカルズ
そう、いまこの曲を聴いている


卑屈なんかならんでもいいのさ
泣かないでバカヤロウ泣くなって
僕らには敢えても逆にもいらないよ
ハニー 永遠はロックンロールと君だけさ


わたしは、案の定泣いて、泣き笑いできみのことを信じてみようと思った
そして、信じてよかったと思ってる


阿呆みたいに踊るのさ踊るのさ


別れ話をして、そのあと初めてスタジオに入った
キーボードの上で踊った
阿呆みたいに踊った


もうあの柔らかな癖毛も後ろ姿もわたしのものじゃないんだなって
でもふと、初めからわたしのものじゃなくて、そしてきっとこれからも、きみだけのものなんだなって
たった今気付いた
もっと早く気付くべきだったね、御免ね、だから苦しかったんだね。


きみに髪を洗って貰うのが大好きだった。
何気なく髪を撫でてくれるのが大好きだった。
眠れるように気遣ってくれるのが大好きだった。


「メロディーフラッグ」の動画は消さないでね
夏が来たらまた一緒に冷たいもの飲もう
あの昼寝は、今までしてきた昼寝の中でもっとも幸せな昼寝でした
というわけでいまは「メロディーフラッグ / BUMP OF CHICKEN」を聴いている


きみも、幸せを感じてくれてたならいいな
当然いま、泣きながら端末に打ち込んでるよ
泣き虫めーって、指さして笑ってよ。あのカラオケボックスでみたく、泣き笑いしているよ、ねえ


ぼくはまったく香菜みたいな女で、ねえ、頭を良くしてくれて有難う
いい女になって見返してあげる、次に進むよ。大好きなきみを、可憐に踏み台にして、愛されにいく。
あたしがあたしを育てたけど、肥料や水をくれたのは君でした
失恋てもっと惨めなものだと思ってたよ
哀しいけど淋しいけど、幸せで笑いが止まらない。ニアデスハピネス?あたし18。


いままでありがとう。
「愛していたよ 軽率だね」とは微塵も思いません
たくさんたくさん有難う、じゃあまたね。


地球は丸いからまた会えるよ
そしたら、笑って出会い直しましょう。
愛すべきデキソコナイへ愛されたデキソコナイより