消費のミュージック


かなり聴き潰してる、擦りきれそうなヘッドフォンのコードのなかに意識をやりすごした気になっている君、それを使ってどこに繋がって何を伝えているつもりなのか、4階は何をするにも半端だから君はミュージック、ひとりでミュージック、歌いながら歩く、ガラスに映った姿見て青ざめてまたひとりだ、コードへ何も送り込めない、電子は一方通行で耳に耳に脳に脳髄に突き刺さるんだろラララとかがさあ、君はそこから出られない、そこからどこへだって行ける、水面下から天上さらには胎内、縦横無尽に飛び回るこどもになれる、大人になれる、4階に君はいない、踊り場で踊らない、トイレで泣かない、保健室は怖くない、食事は残さない、吐かない日はない、話はできる、どこにも行かない、君は逃げない、ヘッドフォンは逃がしてくれない、電子は一方通行で押し出してくる、君は対峙している、決して逃げない、それがミュージック、とんでもないロマンスを愛している。