奈良美智展は結局行けずじまいで。


好きなものが多いことが少しだけ哀しくて、例えばわたしは、もちろん上を見たらキリがないけれど、日常で出会うひとの限りでおいては(偏ってはいるけれど)最も多くのバンドを知っているひとのひとりだと思う。「すごいね詳しいね!」と言われると、ううむとうまい返事が浮かばなくなってしまう。あなたが今見ているわたしのiPodですが、聴いてみている音楽と大切にし続けている音楽は違うのですよ、と言いたくなったりする。
一途にただただひとつのバンドにひたむきでいられたあの頃にはもう戻れない。当時は、年に一度しかライヴに行けなくて、だから全部が全部が全部が焼き付いていた。でも今は違う、好きな音楽がたくさんあるよ、幸せだ、両手で持ちきれなくて、それでも大好きな音楽がそこにあって、それぞれ違う風に好き。


見かけたことのある名前のバンドを片っ端から浴びるように流す日々が随分と続いていて、新しく知ったものをなかなか大切にできてないな。ヘッドフォンで静かに耳を傾けて聴いてみたら、本当に大好きだと思える音楽がきっとあるのに。
もっとたくさん音楽を聴きたい、知りたい。だけど聴き慣れたあの曲は今日も聴きたい。何から聴いたらいいんだろう。音楽を大切に扱いたい。好きなものも苦手なものも興味のないものもあるけれど、自分で選んでiTunesに並べたものくらいはそうしたい。


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最近、この曲を教わった。とても好み。平沢進が詞曲を提供している。メロディの作り方がまさしく平沢進で愉快な気持ちになる。
「Ruktun or Die / 宮内優子」http://www.nicovideo.jp/watch/sm10026424


仏陀よ遅いわ人類なら 遥かな昔に堕落したわ  ほったらかしや しったかぶりで こじれてダサくてほどけない 」


上に上げたものが原曲なのだけど、のちにセルフカバーしているものも、また違った風に聴こえて面白い。