明日も今朝のように耳を澄ますのか


3泊4日でベトナムホーチミンに行った。自由になるのは中二日だけだったので他の街には行っていない。

朝に弱いので徹夜で羽田にゆき、成田香港間・香港ホーチミン間とよく眠った。到着したのは夜で、ぼったくられつつ空港からホテルに向かう。夕飯にフォーを食べに行った。日本の夏の、それも愛知の気候によく似ている暑さと湿度で、夏の予感を感じすぎてアテられていたのが程よく相殺された。蒸し暑いアジアの夜は愉快な雰囲気が漂っていて(そんなに海外知らないけれど)、ひとびとが飲んでいるのがとてもいいなあと思った。混ざりたかったけれど同行の友人は積極的に飲酒をするタイプではなかったので、コンビニで適当なマッコリボトルを買ってホテルで飲んだ。3人で宿泊だったのだけれど、ダブルベッド+シングルベッドという寝床の提供のされ方だった。じゃんけんで決めようかと話を振ったら「どうせ君眠るの遅いでしょ」とシングルベッドを譲って頂けた。シングルベッドに寝転んでひとりでマッコリを飲んだ。

2日目はメコン川をうろうろするというどうやら鉄板らしいオプショナルツアーに参加した。昼食を食べたのち、予定よりも1時間以上早くホテルに帰ってくることができた。暑いしすぐは動きたくないという友人のぐうたらに合わせて休息を取った。わたしも眠りに落ちていた。その後夕方からはショッピングに、と銘打たれたストリートへだらだらと散歩した。友人の買ってきたガイドブックに掲載されていた店に行ったけれど、市場などで買い物するほうが基本的には好き。でも綺麗な色のものは買ってしまった、高いとわかっていたけれど。やっぱりマッコリボトルを買ってひとりで飲んで眠った。

3日目は市場へ行って街歩きをした。市場では「you're crazy」「バカ」「アホ」「愚か者」「気違い」などという言葉を浴びせられたりもした。市場は戦争だ。これは感情労働なのでは、と思いながら買い物をした。そして結局罵声に見合うほど安くはなっていない。荷物を置きしなホテルに戻り、やはり午睡を取った。その後、戦争ベトナム戦争証跡博物館へゆくことにしたが、そこに向かう道中もタクシーに不必要にメーターを回された。証跡博物館は、とにかく印象に残っている。にんげんの肉体がちぎれていて、でも頭部はあり、ではぶらさがっているそれは腕?足?といったような写真に始まり、シャム双生児のホルマリン漬け。きっと日本ではまず展示できないだろうといった写真のオンパレードだった。それからこっち、その感覚からいまいち抜けだせないでいる。その後、郵便局など観光スポットを回ったりスーパーを見たり。途中で友人が体調を崩したのでホテルに引き上げる。夜景の綺麗なバーに行こうという話をしていたがヤメにした。くたばった友人に手持ちの胃腸薬を渡し、疲れたし一緒に残るといった友人にあとは頼んでひとりで夜のホーチミンを1時間ほど散歩した。街の空気にも慣れた頃、こっそりイヤホンを耳に差し込んで音楽を聴きながら歩いてみた。


D


好きなアルバムで、よく聴いているものなのだけれど、
ベトナムに女の子だけでやってきたのみんな元気だわ 食べ物がなんでも美味しいわ さすが東洋のパリと言われてた ちょっと前に戦争があったみたい でもこんなに綺麗になったの 東京にも戦争は来るのかな まあいいや(笑)」
という歌詞にとてもドキッとした。昼間に戦争の写真を見たこともあったのだろう。怖い曲だ、と思った。

最終日は飛行機が遅れ、乗り継ぎ空港である香港でひやひやと過ごした。機内でマッドマックス怒りのデスロードを見たけれど、飛行機の揺れが気にならないどころか、そういう演出にさえ思えたので、総ての飛行機にマッドマックスが入ったらいいのではないかと思った。終電に間に合ってよかった。


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前回の日記で行くと言ったからには多少なり書いておくべきだろうと思って書いたけれど、何を書きたくてブログを立ち上げたのだっけ。
その旅行から戻ってきてからというもの、すんなり眠る日々が続いている。5時すぎまで起きているのは、それこそ10日振りだとかではないだろうか。ブログなんて、書くからだよ。


今日の昼間は風が気持ちよくて良い心持ちで過ごしたのだけれど、夜になってから急に落ち込んでしまった。元々吐き気を催しやすいほうなのだけれど、ここ最近それが顕著だからかもしれない。あとは、無意味だなと思いつつ亡くなった友人のことを思い出している。いつもみたいにどうでもいい話をしたいだけなのだけれど、それはもうずっと叶わない。なんやかんやで良く話していたものだから、こんなに長らく連絡を取っていないのは初めてだ。まったく。



未だに文章を、小説みたいなものを書いている。自分の書いているものの甘さは自分でよくわかっているけれど、変な否定のされ方をするのはお前が嫌いだと言われる以上に堪えるなと思ったりした。自意識がおかしなことになっている。
そうだよ、全部、夏のせいだよ。


昼間、気持ちの良さに任せて音楽をだらだら聴いていた。
ORIGINAL LOVEの「水の音楽」という曲を知った。とても好きだと思った、気持ちよい。



夏至まで1ヶ月ある。まだまだ夜は短くなる。普段なら起きている時間に起きているだけなのに、最近ずっと4時過ぎころに眠るので悪いことをしているような気持ちになる。久々にこんなに明るい夜を過ごしている。

ネガティブなことをどうしてもどこかに書きつけないといられないのか、と思うけれど、どうやらそうらしい。そうでないときにも書きつけるようにしたいね。ネガティブの吹き溜まりみたいにしたくはないんだ、でもベトナムの話を淡々と書いていたら本来のネガティブな気持ちは落ち着いたので、結果オーライ。好きなミュージックを聴いて眠ろう。少し目が冴えはじめてしまっているから、眠気の隅っこをぎゅっと握って、眠ろう。