wasted love

 

お気に入りの未来が手の中に落ちてきてここが今だと澄ました顔をする。そこから連なるお気に入りの話をし続けた。黄色が好きなあなたと並ぶのが嬉しくてわたしは紫を塗る。うまくいかないことはない。マスカラを口ずさみながら汚れたわたしの瞼を拭ってくれる。

 

あちこちにあるボタンを好き勝手押すのはいいのだけれど、大きな音でブザーが鳴るのはおしまいの合図じゃないし、玩具を箱にしまわないのは感心しない。
愛でられてこその花、ぶっ壊れたフラワーロックは花ですか?
わたしは花になれなかった。
わたしはきっと蝶番、そうでなければ変なかたちの交差点。繋ぎとめる交点、ばらばらになりそうな世界をこの身体ひとつでまとめている。数多散らばる過去も未来も、ゆっと結んで循環させる。
ゆっ。

誰に何を貰わなくたって大丈夫。自分で動いてたくさんのラブを集めたからこっちに帰ってきたの。ラブ収集車、ラブになりえない液体の集積所でもある。肩を抱けばどこまでが自分かよくわかる。ここまではわたし、不可侵の肉。掲示板で目鼻口に画鋲を押し込まれている写真のように濡れた布に留めつけられる。唇もだけれどネイプがひどく荒れているし口内炎も治らない。

 

潮風を洗って眠って起きたら酷い時間だった。