壊れたバター

 

丁寧な文章書いてるの本当に疲れるし柄じゃない、わたしはただ22時過ぎに放り出された建物から駅まで歩く10分か15分くらいの間哀しくて泣いていたというそれだけ。1円にもならないどころか無休になる分金銭的にはマイナスで、何時間取り調べを受けるのだろう。そういう時間を嘲笑するように感ぜられる踏みにじられ方をこれからあと何回。お金は取り戻せても傷は不可逆で募る不信が哀しくて、四方八方に喧嘩を売るような戦い方を挑んでいる昨今を思ったらへろへろだ。こんな風に剥き身で泣いているときだけは守られてみたいと思ったけれど、そんな甘えを許さないのも流儀だから。お前だけは修羅の道を行きなさいとコルセットの紐を締めてゆく、自分を守れ、手を緩めるな、わたしに喧嘩を売ったことを後悔する準備でもしてたらどう、それはつまり首でも洗ってろって意味だって説明しないとわからないよね。



わたくしは千代田区の亡霊、春先に立ち上る影としての。亡霊らしく人気のない道を缶チューハイを片手にしずしず闊歩して何度も見てきた景色をゆく。何年か前にたまたま見つけた小さい公園はそれ以来遭遇できていないけど、便利な携帯端末立ち上げてハイGoogleマップ!という味気なさは好ましくない。あのブランコに長いこと座っていたらきっと千代田区に取り込まれていた、でも今日にでも新宿区に移動できる。千代田区の亡霊は普段は肉を得て自由に歩いてゆけるから、でも肉ゆえに掴まれることもある。触らないでよ、わたしの身体から殻だから空だから。お前らを入れるつもりはないの、去ね(にゅっころふぁっく)。
雨で湿ったために花びらをあちこちにつけて、どうせ侵食されるのならこういったものがいいな。肋骨に貼りつけた肉に貼りついた花びらを拭って見つめて地面に落とした、亡霊に貼りつくものは何もないはずだもの。そうしてわたしはもう一度亡霊に戻る。亡霊の胃袋では餃子が亡霊になろうとしていてこれは包含(亡霊⊃亡霊)。



どんな嘘もていを為さない日々だから今日は少しの本当が欲しい
Q.それが荒涼とした現実でも?
A.

草木芽生えずとも構わない、この荒野が獣道になるのはそんなミルフィーユの果て。あの日嘘をつかなかった。いつだってほんとうのことで忙しいのよ、総ての虚構が翻る世界だ、うさんはくさくえげつはなく。こっちにきて、歯が痒いから噛みつきたいのだ、極力甘くするからさ、ね? 唇を舐めたら甘くてびっくりした、砂糖をまぶしていたのを忘れた。


髪を乾かす気力がなくてしばらくぼうっとしていたせいで髪はしっちゃかめっちゃかだ。鏡を覗いたらパーマを当ててるんじゃないかってくらいもこもこしてて愉快。前髪を、とはいえセンターパートのままだけれど、この長さは新鮮でなんだはにかんでしまう。いつだって微笑んでいたいな絶やさないように聖火のように(聖火より微笑みのほうが尊いって思う)。