疼く丸

 

触るなよ、手をどけろよ、と思って身体をゆすったら呆気なく剥がれていったから障られてる。なんだよ、なんなんだよ。こんなことが続くと宜しくないから手を打たないといけない、触んなよ。もう警察に行く気力がなかった、何もしないとしないでフリーライドさせたみたいで落ち込むものですね。さわるんじゃねえよ、げろり。この服に気持ちの悪い皮脂が少しでも染みたんだと思うとおぞましい。急に電話がかかってきて、2ヶ月以上前に気持ちの悪い皮脂をつけられた衣服を提出してくださいなんて今更言われた。ご協力しますよ、きもちわりーよばーか死ネヨ。ネヨネヨ

 

 

えっ、ねよねよって響きかわいい。ねよねよ!

 

 

寝よ、一緒に寝ようよ。

最近どうにも寝付けないし眠りが浅い。今朝の寝起きは酷かった、虚空に向かって何かを訴えている自分がいて、よくよく聞いてみたら「金星が、水星が」と言っていた。どんな夢だよ。衛星を持たない地球の内側を回る惑星である金星と水星。何にうなされていたんだろうね、と自分の身体に聞いてみる。やけに眠くてうつらうつらしている。身体のどこかが壊れてて、何もしていないのに膝の力が抜けて崩れてしまうようになった。天使の膝カックン。痛みも違和感もないくせに、ただ神経が通わない瞬間がある。めぐる電気の塩梅がおかしい。バグ。でももしパグだとしたら、まあそれはてんしいぬだな。

 

 

胡散臭さというものは、どうやら体臭のようなものであるらしい。

普段、気づけば黒い服を好んで着ている。あるいは趣味の悪い柄シャツなども好き。よく言われるのは「煙草吸ってそう」と「薬やってそう」と「あらぬもの見えそう」です。会社で特に濃い付き合いもないひとから「煙草吸わないんですか、吸ってそう、なんなら違法なもの吸ってそう」とすれ違いざまに急に尋ねられる程度にはよく言われる、要するに胡散臭いのだ。思春期の時分に胡散臭くあろうとしたこともあったけれど、それらの振る舞いはおそらく意味がなかった。ただ持ち前の胡散臭さを発揮していただけのこと。

春先、全身を白い服で固めてランウェイを歩く動画をたまたま見かけた。プリマヴェーラ
颯爽とした様子を見て、白いジャケットと淡いベージュズボンを新調した。白いシャツと合わせてみる。姿見を覗き込んで思った、花束持ってウインク飛ばしてきそうなスケコマシじゃん、と。要するに胡散臭いのだ。あるいは結婚詐欺師のようで、色のイメージに打ち消されない胡散臭さに感心した。わたし自身は非常にピュアなのに……。
何がどうしてというわけじゃないけどお香を焚き染めた。

 

 

疼く◯を持て余す、つついて遊んでいるとすぐに☆になって光り始めて眩しいよ。
わたしの瞳孔のかたちによく似てる。だからもっと見て。あなたの瞳孔の大きさを変えてしまう一瞥で。

 

 

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