九夏儀

 

言葉の動脈が見える、切ったらたくさんの血が流れる部分を撫でる。
見えますか、肺に溜まる切実は吸っても吐いても出ていかない。胸に留めておくの。
極彩色は最後にぶちかますのが鮮やかだし、そのフラッシュで目を潰してしまいたい。
衝迫、ああ溶解。

見えたから、血の巡りがぐらぐらしてる。吐きかけられた赤い星はぬらぬら燃えて舞台にあがる。
誰にもできないことだけをし続ける、わたしは誰かではなくわたしだから。

ただ切実であることだけ、身体のどこを切られても気づかないほど指を強く組んで。