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2003年02月01日のことをよく覚えている。中学受験をした日、母校となる学校受けた日だ。高3にあがるときに中退してしまったけれど、母校だと思っているよ。


中学受験塾が好きで、小学校が嫌いだった。小学校をどうにかやりすごして、放課後に駆け込む塾はとてもあたたかくて優しかった。
当時、確か偏差値60以上あったと記憶しているけれど、小学生にはその数字の意味がよくわからない。みんなそれくらいだと思ってたし、偏差値50なんて頭が悪い子の取る点数だと思ってた。そんなわけないのにね、偏差値50ってつまり平均点なのに、周りにそういう子ばかりいたからだろうな。当然だ、そういう風にクラス分けされていたのだもの。
要するに運がよかったというだけのはなしで、勉強は知的好奇心を満たしてくれたし、成績が伸びるのが楽しくて仕方なかった。高校生になり、偏差値60を大学に換算してみてようやくその世間的なすごさというのか、そういうものを知った。もっとも、大学受験とはほとんど無縁だったのだけれど。
運が良かっただけで、基本的に学力が低いんだ。


あれから10年が経ったねと言いながら、ライブで一緒になった中高の同窓生2人と一緒にラーメンを啜った1日の夜。
1日にわたしの母校を受けた受験生の女の子たちは、ちょうど今ごろ、2日……今日か。今からの受験のために家を出る準備をしていたりするのだろう。
勉強のできる君たちは、それでも将来なんてわからない。