wavewavewavewavew


鼻腔いっぱいに充満している悪臭をいちはやく押し出す必要があったので強く息を吐いたけれど、吐いた分吸い込んでしまうのが生きている身体の小さな悲劇。せめて刺激を避けたいと鼻をつまんで口から肺へ送ろうと試みる。こちらのほうが身体に宜しくないのだろうとは思うし、身体に宜しくないから鼻が警鐘を鳴らしている可能性は高いんだけど、でも結局吸い込むしかないじゃん。

 
全然上手く滑り落ちてこなくてとりあえず紙にいろいろ書き出してみるんだけど誰って感じになっちゃうんだよね。ディティールが見えないのはたぶん音楽が聴こえないせい。音楽さえあれば輪郭が生まれる、この指ひとつではなぞることさえできないというの、そんな哀しいこといやだよ。

 
たしか一昨年に譲り受けたハンドクリーム、ロクシタンピエールエルメコラボの、えーっと「ジャスミン イモーテル ネロリ ハンドクリーム 30mL 1,400円+税」をそろそろ使い切りそう。静かにしなくてはいけない場所でもやっぱりなんらかの刺激がないと痛くて仕方ないから、いい香りのするものを使っていた。気の滅入ったときに思い出すものがあるのはいいことだと思ったし。使い終わりそうだよって連絡しようかな。


なんかうまくいかないねって顔してるけど、なんかうまくいかないのはこっちも同じなんだよ。溜息ばっかりついてさ、よしておくれ、君は詩を書かないのか。ごめん変な口調で話しかけちゃったけど本当は別に君なんて心当たりいないんだ。うまくいかないなって顔して溜息つく回数が増えてうんざりしているのはわたしです。かっこうつけてごめんなさい。
もういやだって口にする回数が増えちゃってそのことに自分で嫌になってる、半ば口癖にしてしまったのが運の尽きだって、だっせーの。だけど、「きっと、うまくいく」だとかを口癖にしてもたぶんそんなうまくいかないと思うんだ。理由は、たぶんそんなうまくいかないと思っているから。自分さえ騙せない嘘に価値はないし、思い込めない虚構は本当に空っぽだから触らないほうがいいよ、吸い込まれて反転して内臓が空中に放り出されてしまう。

 
まとまりというもののおおよそを失っているのだから、いっそ皮膚を剥がして君とくっつきたい。だからほら、こういう少しやけっぱちなモードがよくないっていう話だったでしょ、すれたふりをしていたいのね、石ころを蹴飛ばしながら歩きたい気もするし、早々に石を見失って不貞腐れたいだけな気もする。大丈夫、なんでも後からついてくる。すこぶる単純にできている、騙すのに大切なのは、嘘を嘘だと認識しないこと。後づけの事実しかありません。


こうやって書き散らかすだけ書いて流して、最後に少しだけノックをしてみたい。ノックノック。こうすれば誰かが叩き返してくれるはず。不在でさえなければね。
ここにいるの? いるなら教えてね。

 

ノックノック。