心変わりの相手は僕に決めなよ

 

今夜のミュージックステーションには小沢くんが出るそうだ。自宅から「流動体について」やるんだって。小沢くん、去年末だったかのMステSPのときの青黒い髪がすこぶる良くて、美容師の友人に「また髪青くしたいんだけど」と連絡したけれど、歌唱中の暖色の照明に当たっている姿では青が飛んで見えて上手く写真撮れなかったな。

 

 

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随分と長い夢を見ていることに気づいて、まずい、これはもう昼間かもしれないと思って眼球の蓋をこじ開けたらベッドに入って90分程しか経ってない午前4時の世界に登場してしまった。満月を見たくてコンビニで買ったお酒を飲みながら20分ほど散歩をして(白くてピカピカの気持ちの良い月だった)、モンハンのプレイ音を耳に留めていたらほとんど眠りかけていて、沈殿した意識をなんとか吹き上げて就寝したため、眠りが浅かったものだと思われる。

 

誠実でありたいと思ったところで自分の性分である根暗が改善されない限り、これは叶わないのではないかとふと思った。彼女は「もしかして自分って明るいにんげんなのかもって最近思ったの」と話していたけれど、わたしはむしろ逆で、もしかしてやっぱり暗いにんげんなのではないかと考えている。
とにかく、こんなに哀しがってばかりではいけない、自分が手前勝手に泣き女をやっている分には好きにやればいいけれど、周りまで一緒に哀しい気持ちにさせるような節がある。ひとを不必要に暗い気持ちにさせたり傷つけたりするのはどうしたって害悪であるし、害悪は隠したいし、そういうものを隠すのは誠実とは言い難いし、すぐに哀しくなる性分では誠実になどなれないのではないか。もうずっとワルツを踊っていたい、当然踊ったことなどない。


などということを考えながら天国より野蛮を聴いていたのも数日前。そのとき渦巻いていた言葉だって、その場で吐き出さないとすぐに消えてしまう。
久々にゆっくりと深みに沈んでゆくのがわかったけれど、憂鬱は誰にでも来るたちの悪い持病のようなものであるし、自棄にならずに舌で転がすくらいの余裕を見せたい。その余裕をごっそり持っていくのが憂鬱というものの性質と言えるのだろうけれど、過ぎてみればもう少し味わいたかった気もして学びがない。詩でも吐かなきゃ救われない。編む詩も吐く詩も大差ないのは若輩者だからです。

 

 

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たゆたいのミュージック、身体がむず痒くてバカバカしい、最近はあんなに貴んでいた精神を疑っている。精神の実在とは、そもそも精神と実在の関係とは、などと書くと小難しくて自分でもついてゆけそうにない。実在と実存の違いもわかっていないし、存在するという動詞もわからない。

わたしは辞書を引くのが好き。


▼精選版日本国語大辞典
実在:実際に存在すること。現実にあること。
実存:実際にこの世に存在すること。実在。
存在:現にそこにあること。人間や事物が、それぞれの性質や働きや価値を持ってあること。

大辞林 4版
実在:実際に存在すること。
実存:実際に存在すること。
存在:人や事物があること、いること。また、その人や事物。

新明解国語辞典 7版
実在:だれにでもその存在が認められるものとして、そこにある(居る)こと。
実存:実際(現実)に存在すること。
存在:客観的な事実としてそこにある(とされる)こと。また、そのもの。


そういえば何年か前、唐突に「本能」という語の意味が気になって図書館で両手では足りない冊数の辞典を引き漁り、結局わからなかった夜があった。国語辞典を引き、英和辞典を引き、精神医学辞典を引き、結局「学習」は本能ではないというくらいのことしか理解できない頭なのだった。これも総て戯れに過ぎない。
「こういうことを永遠に調べて考えてのたうちまわって頭を抱えて、たまにすっきりしたと思ったら違うことが気になり出してまた調べて考えて、そういう風にのたうちまわって頭を抱えて生きてゆきたい」とのこと。で、それは本能?学習?

 

 

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そう、そんな寝起きをしたためか眠たくて仕方がなくて、起きている頭と眠っている頭に挟まれて午前を過ごしていた。性欲は食欲に例えられることがあるけれど、たぶんそれは実際のセックスの話なのだろう。セックスをしていない時間、人生の大多数の時間において、性欲は睡眠欲の隣に並んでいる気がする、たぶん曖昧さが似てる。だからずっとクリアにならなかった時期は性的な話ばかりしていたのじゃないかと考えていた。文章が自然とそちらに寄る、ので、黙って音楽を聴いていた。今でもこめかみの辺りが眠たい。常に意識が朦朧としている気がする。眠たいときはいつもそんな気がしていて、できればずっと微睡んでいたい。

 

 

「月が綺麗ですね」を自分なりに訳してみましょうという遊びを振られて、ひと呼吸考えて浮かんだのが「今日のあなたがいちばん好きです」だった。さすがに気障がすぎて鼻につく、しかしなるほど、自分はそのように考えていたのかと納得もしたのだ。安寧の中で更新されてゆく仕様、そして結局ただの讃歌。手も品も替えず同じことを繰り返している。


英語なんてちっとも読まずに育ったから、本当のところi love youの意味なんて全然わかっていないのだけれど、それはそうとして昨日の昼間なんかは夏みたいだったから大好きな夏の曲を聴いていた。ちょうどこの短い英文が出てくる曲だから、奇遇だね、といま思った。鍵盤の音が気持ちいい、リリースから6年も経っているのか。初めて聴いた瞬間から未だに一音たりとも飽きてない。

 



「iloveyouって英語で習ったんだっけ?」