疼痛仮想

 

好きなひとと摂る食事が好きで、好きなひとと摂り損ねる食事は嫌いだ。一緒に食事ができると期待した上で摂り損ねるのはちょっとした悲劇、だから今日はわんわん泣いた。
大切にされていると思っていたのにそうではないらしかったから哀しくなった。言われなかったら気づかなかったのに、残酷なことを言う。それに食事は置いてけぼりだ、大切にしたいと思っていたのに、わたしだけだったのだろうか。だろうな。そういう卑屈なループで頭が痛くなるまで。


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占星術は天動説時代からのなんかかんやであるため、星の逆行も大切にするそうです。ほら、学者たちが地動説を唱えるきっかけになった不自然な惑星の動き、たぶんあれのことじゃないかな。
確か少し前までは水星が逆行していたし、土天海冥あたりまでくると数ヶ月とかそういう単位でしているらしいし。そして先日14日には、火星が逆行を終えたそうです。
ホロスコープで主に取り扱われる星にはそれぞれ対応する縁の深い星座があるそうで、火星と牡羊座はそういった関係。ところで火星は6月28日から牡羊座の陣地内にいるそうです。牡羊座の陣地内を進んで、戻って、また進んでいる。来年の1月7日まで半年という長期間、この陣地内にいるらしい。逆行時は空回ったりなど悪い風に発揮されていた力が、きっと力強い感じで何かがどうにかなるよ的なことではないのかなと思います。詳しくはないのでよくわからないのですが、そんなような話をたくさん読みました。
また、逃げる力と闘争心は似たものだとも読みました。昨日は17日で獅子座流星群でしたが、わたくしは倒れていたとみられています。


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出社をしないでいたら1日起き上がれなかった。何か文章を書こうという気持ちもあったのだけれど、パソコンに向き直ることもままならなかった。打鍵していないと、指先に逃げていないとあらゆるものが身体中に浮かび上がるからとてもここにいられなくなる。寒くて困る。餃子になりたい、黄金比的に包まれる餡になりたいし包む皮になりたい。ヤンキーが「あの峠でダチが事故った」と言うのとそう大差ないよ、ってヤンキーのダチなんていないからイメージでしかないんだけど。

君の言うとおり、ずっと泣いてもいられない。重ねてわたしは武士であるわけ、それも愚直なほうの、だから、戦い抜くしかないのでしょうね。刃物に触れないのは辛うじて残った自分の賢明さな気がするよ、絞めても殴打してもなんにならない。結局わたしには殺意がない。どんなに泣いても好きな本を読んでいれば泣き止む程度のことでしかない。

わたしはね、ただ、そこで平和に暮らしているひとたちが見たかったし、それを実現したいって思っているだけなんだろうね。致命的に欠けているんだもうずっと。わたしにはその能力が元よりないのかもしれない。優しさとあたたかさを持ち寄って、慎まやかに、ゆっくり深く、穏やかに、そして破天荒に。全部壊れてしまえばいい、この手には何もない、寄越してやるものかとお前らは笑えばいいじゃないか。

ひどく疲弊しているのだと思う。もう誰にも心を開きたくない、みんなどうせ死ぬんだし、わたしだって死ぬんだ。だったら誰よりも先に……などと書いたら希死念慮だとか自殺願望だとか解釈されるだろうから面白くないし、何より恥ずかしい。この世の総てはわたしのためにある、どうしたってわたしのためにあるから、わたしは不幸になれない。現にほら、こんな風に壊れかけの端末をさらさらなぞって文章を打ち込んでいて、起き上がれないでいる間はずっと甘さのなかにいた。耽溺してしまえたらいい、いいのにさ、すぐ現実とシームレスに接続される肉体たち。わたしの気は確かだ、いつも絶望するほど強固に正気を思う。もう寒くて仕方がない。