黙れ女神

 

誕生日に夜明けまで内緒の留守をする天使。面倒くさいと言って不通になったのは通じた話を聞いたあとのこと。そうやって夜明けが来てまた暗がりに浸かって、暴言を吐きつける仙人が自画自賛を決めて兎に擬態して逃げる夜もある。

何を書いているのかわからないという顔を並べられても、傾げた小首にもれなくキスマークをつけてゆくくらいしかできることがない。写実的であるつもりだ、「君にはXXがこう見えているっていうのか」、わたしにはこう見えている。

マンドリンの音がしたから気を取られていた、トレモロの密度ににんげんの呼吸を感じる。どれも可愛いのにひと回り小さくてどうにもならなかったから1kmほど坂を下った。1000円札を2枚飲ませたら「6月は冬ではない」という情報が吐き出された。どうしてその洗浄液を知っているかというと高校生のとき握らされたことがあったからで、軽食よりもボリュームのあるあんみつを食べたら折りたたみ傘のことを忘れた。

この際金魚鉢を綺麗にしようと覗き込んだら、乗っ取られたりなんだりでなんでもなくなって腐り落ちてしまったものがたくさんあってちょっぴり哀しかった。

 


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2021年にORANGE RANGEの上海ハニーの凄まじさにこうも胸を打たれているにんげんて他にいないのでは?という気がしたので列挙します。

・Aメロを経て最初のサビにいくまでが16秒、トップスピード。ほぼロケット。
・1Aとアレンジ変えた2Aを経て二度目のサビの途中1分17秒で突然の転調をぶちこんだ上で1分25秒で2回目のサビを終えてしまう。
・間奏と寸劇を行って再びのサビをやりきったあとに突然始まる沖縄要素、そしてこの沖縄要素のパートがこの曲でいちばん長い(175秒中30秒)。

楽しませ続けよう盛り上げ続けよう絶対にサゲさせないぜ!の気概がずっと折れなくて、小首を傾げている間に曲が終わってしまう。すごいですよ、と吹聴したいけれどいかんせんリリースは18年前なので誰もが感動をし終えている。18年前!?

 

この曲のサビの「黙れ女神」が格好いいというのはずっと思っていた。軟派に女性を口説きたいという中で、一回その女性のかたちをした神にファックサインをカマしておく。存在は知っているよ、でもお前は無視するよ、「黙れ女神」、ここ超痺れる。

ただ一点残念なのは、上記の歌詞はわたしの空耳であり、正確には「たまんねぇ女神」であって、もう全然真反対の意味だったと気づいてしまったことです。あと同じくサビの「めっちゃランデヴー」だと思っていたところは「エイジアン・ランデヴー」でした。全然聞き取れてなくて最早面白い。

 


だけどわたしがいま聴きたいのはこっちです。