スニーカー込172cm

 

例えば自分は色欲の罪を背負っていて、だから罰を受けているのだとかって認識しないとマイハートハードピンチっていうかか弱いハートが折れちゃいそうっていうか、そういう認知に気づくときに哀しくなる。正確にはもう哀しくもない、広くてとうめいな空間に本当に冷たい風が一筋流れて消えてゆく。「リュックを前に背負っている女性は触ってOKの合図です」、そういった薄気味悪い情報がインターネット上に垂れ流されて壊れた頭のひとたちに共有されていたりして、自分は何に脅かされているのかわからなくなる。誰が助けてくれるわけでもない、そもそも助けなんて待ってない持ってない(寺って何?)、きっちり全部自分でやるだけ。泣き縋って甘えて楽になれるひとはそれをすればいい。わたしには脚と腕が2本あるのだ。

「そういうの平気な側だと思ったんだよね」、反射で叱るのには練習が必要で、わたしの練度は低いままだったから平気なひとということになったらしかった。なんだか商売女みたいだねって形容に嘲りが滲むのに気づかないほど鈍麻してないし、敬意を持ってそう思うのならば試しにオカネでも差し出してみたら?

怒り怠けたツケなのだと言われたときに感心した、なるほど一理ある。笑って守れたものと守れなかったもの。怒らないと守れない部分もあるよ、だからせめて笑って流さず済むようになろうと思った。泣いても笑っても何も助からない、せめて状況をできる範囲で細かく把握して、クソな手を掴んで離さない努力をするだけだ。

 

つまりにゅっころファックってこと。ううん嘘、「首もげて」ってこと。

 

性的でないといけないとどうして思うんだろう。綺麗な花を見てそこでにこにこしているだけで楽しくなれるのに、一緒にいる相手もそうだと当たり前に思えないのだろう。色欲の罪、色欲の罪を背負っているからなの?

そんな罪は最初からないよと解かれてみたら、並んで歩いていて手が当たるだけで緊張のあまり飛び退いてしまう自分が出てきて驚いた。それでキスをしてみたら視界が真っ白く光ってその瞬間の記憶が消えた。あれが無防備というもの? 無防備という言葉は突然まろびでてきたもので虚をつかれた思い。
でも戦わないと生きていけないから、やっぱり武器も防具も下ろせない。

 

ロー回避です、ブレーカー落として違う話をしましょう。

 


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血反吐吐いてでも達成して差し上げるわ、と突き立てる中指は一向に折れない。血は巡らなくなったら死ぬし、わたしは動いていないと腐る。今日と昨日と明日は全部違う日で、配置されているのは全部違うひと。瞬く意識。自分がどんなにんげんかを判断するのはわたしじゃない、同じひとなのか違うひとなのか、どの速度で変わるのかなんてわからない。この瞬間にわたしはいる、ここに集約されている。見て、今を見て。

でも今を雑に手抜きやり過ごしたらそのことはバレ続けると思う。とにかく都度頑張ろうよね。生きて死んで生きて死んで、日毎に悪化している状況に取り巻かれているとしてもわたしが腐らなければいい。わたしはもっとよくなる、なれる。

 

人間関係を損得でやるのってつまらないって考えて、では快不快でやるのはどうか、と寝返りを打った。快が得で不快が損という価値観。程度問題ですね。おわり。不快は損なだけだって判断するのならつまらないからおわり。
どこからでもきらきらするものは見いだせるはずだ、レンズに傷をいれてみたまえよ。

 

筋肉少女帯に「キラキラと輝くもの」というアルバムがあって、何も疑わず「キラキラと輝くオブジェクト」という意味だと解釈していたけれど、ある日「キラキラと輝くもの」と少女の声で再生された。キラキラと輝くもの。そう呟いてわたしはキラキラと輝く。

 

キラキラってキメラっぽくていいよね。キラメキメラ。

 

わたしじゃないほうの光。
幸福なほうの窓。

 

幸福なほうの窓は冬になると毎年簡易イルミネーションがつく。駅前の小さなマンション、1階はコンビニになっている。あれは幸福なほうの窓。

 

嫌いじゃないけれど怖いんだよって言ったらみんなたちどんな顔するんだろう?

 

わたしのために今日は歌って。
今日は双子座流星群だよ。

 

もたらされる光、

もたらされる光という言葉が不意に浮かんでなんだろうと思った、メロディーとリズムがついていたので手繰ったら「もたらされぬ救い」だ、She hates Decemberだ。

報われるからやる報われないからやらないじゃない。そんなださい計算しない、全部やるよ余さず攫う。救いがもたらされないなんて嘆く暇はない、落とし前は手前で。

 

育った街は星が見えない街でゆうめいらしかった。昔は工業が盛んでたくさんの煙が上がる街で、だから星が本当に見えなかったんだよ。小学校の理科室で聴いた言葉をなぜだか忘れないでいる。
わたくしは一途でゆうめい。

わたしはわたしを目一杯使うけどお前らに使わせてやるわたしなんて持ち合わせていないから暖を取るなら他を当たって、御手数だけど。

 

もっと独特の手法で唇をねじってよく見せて。結んで開いて目的語。これがそれじゃないならなんだっていうの、こうやって話している間に水を吸って膨らんでゆく。重曹は苦い、誰よりも大きく膨らんだカルメ焼きが食べられないほど苦かったのも小学校の理科室で、そうだ、あれは星の話を聞いたのと同じ日の出来事じゃないかしら多分メイビーおそらくきっとそう そんな気がする今ものすごく