オーバーヒー脳

 

"challenge to change"みたいなコピーを掲げてる広告があって、しかもご丁寧にlleだけ<font color="red">で囲ってあった。このフレーズを見るたび思うんだけどなんで当たり前の顔して無邪気にlleのこと切るんだろう。

このとき切り落とされるlle、最後にリストラされる有能コストカッターって感じする。散々いろいろなことやって貢献して、最後に「じゃあ改善点なくなったんで」って肩を叩かれてる。「だって高給取りの閑職でしょ?」って言われて暗転すんの。それまでlleがカットしたコストで基本給はうっすら上がったし雇える人員が増えた場面だってあった、もはや改善をするコストのほうが高いって誰かが言いだしたのだろう。
そうなると残されたchangeたちのことも考えてしまうよね。lleがいなくなったあとこの体制でしばらくいくんだけど、今度はgがウルトラ僻地に飛ばされるみたいな人事があって、えっ何!?ってなる。話を聞いてみたら代わりにc迎えてchanceにchangeするって言うのよな。それこそが最後の君の仕事だとかって振られたgの握りしめられて白くなったこぶし。脳裏をよぎるのは、あの日「lさんってひとりで仕事できないんですか」ってlleの肩を叩いたこと。それなのにcが増える、しかもこのとき入ってくるcが初期メンcのご子息で有力跡取り候補だって声も聞こえてきたりしてるんだ。g的にはlleであいた穴をすぐ後ろについて埋めた自負があるからめっちゃ納得いかない人事だし、いつだって自分が損を埋める役回りじゃないかって愕然とするんだけど、気づけばcのワンマンが止まらない。そしてchance体制に変わってゆく。
がちゃんがちゃん人事異動がある中、最後まで残る語尾のeはさ、lleのときにいなくなったeのことどう思ってたんだろうね、結構可愛がってたと思う。「位置さえ違えばお前もこうだぞ!」っていうcの威嚇として受けとめたがために気の緩まらない時代を過ごしたとも思う。あの位置のeは確かに安定職だけどここのaは[eɪ]って読まんしさ、自分はmagical-eじゃないって噛み締めるたび怖かったろうな。

ここまでの変遷は、challenge→lle脱退→change→g脱退c加入。そうか、もう前後に誰も残っていないnも心細かろう。打って変わってhは自信ありげ、cの片腕を自称していて、cの成立には自分は不可欠だと思っているから。最終的にlが帰ってきてみんなでますます研鑽して大文字フォームとかゲットしてCHANELとかになって欲しいネ~ってここで一旦投げた。

 

なんだってわたしはこういつもどうでもいいことに思考が飛んでいってしまうんだろうか、挙句すっかり感情移入をしてしまって……人生楽しそうでいいねって言ってくるひともいるしまあ楽しくやらせてもらう予定ではいるけど、この辺の謎ジャンプは割と諸刃の剣だということは伝えたい。こんな実務的じゃないことを考えて生きてゆけますか? わたしはお夕飯のことだとかを考えるべきだったのではないですか? 誰と話しているのですか?

それでも考えてしまったからにはどうにもなんだか引っかかる。
lleもgも幸せになれたらいいし、cだって何も悪ではないのよな。なんなら彼らにそういうことをさせたのは、challengeにchangeが含まれてる!ってキャッキャし出したにんげんの遊び心なんだよな。
でもそこにドラマを付与し感情を乗せてしまうのもまたにんげん(にカテゴライズされがちなわたくし)なんだよね。そういう仕組みで何かがくるくる回ってるんだとしたら、我々の一喜一憂もにんげんではない何かの手癖だったりするのかもしれないな。うんそう、バタフライエフェクトみたいなこと。

変なところに電流が走って思考が飛んで、どうしてそんなふうに飛んだのって言われても掴んだ先がここだっただけなんだろう。なんでも抽象化ってまだAIには難しいことらしいね、複数の事象を全然違うモチーフで橋渡ししてゆく行為。いろいろな花を集めることはできてもリボンで結んで花束に出来るのはにんげんの脳だけって思うとなんだか、ね、美しい機関。

 

Q.誰と話しているのですか?
A.   としか話せないことを話してるって思う