餅と発砲

 

ラメの日。大きく横に開く口だから笑うたびに花が咲くようで、嬉しくて泣けてしまう。何色が見たい?と聞いたのは半ば苦肉の策だったけれど、紫だと即答するものだから。バッグ、ピアス、ベルト。次々にものが壊れる日だった。加えて、そこに合わせてスキンケアしたつもりだったのにここしばらくのなかでは最悪のコンディション。まあ吹き出物も確かにわたしだからテンションが上がっていたのでしょうね。名前の色に因んで。ねえ、そんな風に報われてしまう。よく晴れた日だったからラメもますますキラキラ反射して、空っぽのわたしまで誇らしいのがおかしくて泣ける。ぴょんと飛び跳ねてゆく勇ましい姿を微笑ましく思うような相手で本当に良かった。

 

清らかなまま差し出したい。わたしに差し出せるものがあるなら、まだ清らかでいられるとでも? いや、そもそも何をもって「清らか」なんて言う。そうじゃない、この汚れがわたしなのだ、自分で自分を使って作った染みだ。これを好いてもらわないことには不在も同然。それでも、清らかなまま差し出したいと祈る気持ちは矛盾しないだろう。そんな風に普通でいられない。昂った気持ちは何かに叩きつけずにいられない、そういう気性。だからわたしここにいます。