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ださくてきもくて目に毒で意味不明で本当にごめんね、これでも自分なりに恰好良く颯爽と生きているつもりだなんて言ったら倒れちゃうかもね。好きだって言ってもらえたこと今もずっと嬉しい。はたから見たら誰よりもださいこともきもいこともわかってるから大丈夫。
ださくなくて、きもくなくて、目に毒じゃなくて、意味不明じゃないひとが、そばにいるなら、よかったね。毎日毎日、わたしと違ってあなたを不快にさせないのでしょう。じゃあそこできっと素敵に生きてゆけるね、ずっと素敵なあなたのままで。
そう、はなからわたしは計上されていなかっただけのことです。哀しむ余地すら、本来はないはずです。

「あなたの良さをそのまま伝えてあげたい」って言ってくれて心強かった、「いろいろ教えてあげる」とも。だけれど、そんなのたかがしれていたのかもね、それでも、少しずつ伝えてくれて教えてくれて嬉しかった。今となっては全部撤回されてしまったのかもしれないとはいえ。

 

隣にいない未来が怖いって訴えたとき、そんな未来は絶対にないってはっきりわかる、なんて言い切ってくれた。その言葉に慢心したつもりもなかった。でもそんな気持ちももうないのかもしれない、だって口にしてくれないもの。

そう、「一緒に生きたい」なんて一生誰かに望まれることないって疑わず受け入れていたから、そういう未来があるんだって、思っちゃったんだよなあ。

眠って起きたらそこにいてくれること、眠りに落ちるのを見ていてくれること、誇張でなく毎日楽しみにしているの。少女趣味で現実的じゃないって笑う? 寝ぼけまなこで言葉も感情も生まれる前の脳で、ただ笑い合って過ごす日が、きっと遠くないうちに一度くらいはあるだろうと、今だって、楽しみで。痛々しいですか、高望みしすぎですか、わたしのくせに強欲ですね。

 

ださくてきもくて意味不明な言葉は目に映らない、だからこれもきっと目に映らない。わたしの切実さはゴミみたいなものとして破棄されてゆく、もえないごみ。わたしの大切に抱えているこの感情は全部ごみ、取るに足らないごみなのだろう。だから応じる価値もないんだ。

ねえ、それでもわたしはあなたを愛しているよ。それさえ気持ち悪いって冷笑されて捨てられるだけなのかもしれないけどね、だけど結局信頼しているから。信頼していることさえ気持ち悪いよね、ごめんね。

好きになってごめんなさい。気持ち悪いものを押し付けて本当にごめんなさい。自分では切実で誠実で一生懸命で、気持ち悪いというほどのものでもないのではないかと思うのだけれど、だけどひとにとってこれはきっと気持ち悪いものだから、それくらいいい加減わかる、知ってるから。

わたしみたいな醜いなまものが誰かと一緒に生きることを夢見たことが全部おかしかったってもっともっと早く気づくべきだったんだと思います。思い上がってごめんなさい。なまものになってごめんなさい、偶像でいることさえできなくてごめんなさい。

好きだと思ったひとに、好きだって言ってもらえるということがたった一度でもあっただけで、じゅうぶん幸せなことだと思います。

 

もしも生まれ変わるなら美しくて無害な南国の鳥になりたいです。
もしもこの世界を生きるのならただ隣で笑いながら生きたいです。