2020-01-01から1年間の記事一覧
夜通し歩いた、去年もそうしたように夜通し歩いた。去年は夜通し歩いたのち、新宿の安くて破廉恥なレンタルルームで鏡に囲まれながら仮眠をとって、彼岸花を見に行ったのだった。彼岸花を見に行ったということは同じ季節かと気づいたのは夜通し歩き終わった…
そんなつもりはないのに自然と選ぶ音楽が秋めいている気がして、なんだか恥ずかしくなってしまった。ほんのひと月ほど前は体温ほどもある気温に境目が曖昧になってとろけてしまっていたのに、今はもう寒くて、自分の個体の限りを思い知らされている。早寝を…
初めて会ったのは確かライブハウスの前だった。今でこそ地元のように馴染んだ土地だけれど当時は行く機会もあまりなく、それでそちらのほうに行くからと声をかけたのだった。落ち合ってから家までは歩いていったのか電車に乗ったのか覚えていないけれど、家…
今年もこの季節が来て、まんまと君を思い出します。生きているとは思っていないけれど死んでいるとも決まってない。顕界と幽界とあいだでぐにぐにと引っ張りあっては、長らく解約できないでいたウィルコムのことを思います。 この世界が若者に不都合なふうに…
新宿×8hours×2days / week(before)! どちらにしたって瞼に月霞。 ::: 「毒だと思った、良くする毒って感じ」「じゃあそれは薬っていうんだよ」「なるほど、病気だってことに気づいてないから毒だと、思った?」「状態異常に気づかないという状態異常が、…
>>夏にはどうしたって気が狂うからようやく平素でいられる。汗ばむ身体ひとつわたしにはどうにもできない。生命の中央にいるなあと思う、今年はまだ入道雲を見ていない。「きゃみなり」とメッセージが届いたとき、わたしは地下で冷たい麺を啜っていた。 >>久…
ああもう一生分眠った、これは昼過ぎに違いないと身体を起こしたら、普段起きるよりも早い時刻だった8月初日。思い返してみれば常備薬を飲み忘れたまま眠っていたのだが、それにしてはよく眠れた。そんな清々しい朝に、美しいひと、夏の、から届いていたもの…
誕生日の余韻を引きずって浮かれていたら、「最悪の話していい? コンドーム取れて奥で丸まってんの気づかないまま最後までいってアフターピルを飲む羽目になって、いま体調最悪」と友人。健康診断の待ち時間に、「お誕生日おめでとう! あとわたし赤ちゃん…
また歳を取った。日付が変わる数秒前にかかったコールを取り、日付が変わった十秒ほど後に切られた。耳元ではお馴染みの曲が鳴っていて、こういう呪いのかかりかたもあるよね。ノロイと読むかマジナイと読むかはあとから決めます。完全数が好き。6月28日に数…
今後消したりこっそり過去分追加したりということをする可能性もあるので断言はできないけれど、本記事でこのブログの現段階での投稿数が500記事目となる、ようだ。さすがに少し怖気づいたような気がしたりしなかったり。 去年ネイプにピアスを開けたけれど…
煽られている、大いに煽られている。 昨日は女に会った。彼女に会うのは今年初めてだ。パンケーキを食べ、服と化粧を軽く流し、レモネードを飲み、別れた。ざっと6時間ほど話し続けた。彼女は日々思考を楽しんでいるが、そういえば土日に会うなんていつぶり…
わたしはとんだ臆病者で、何も言わずに死ぬ厄介な生き物だ。強い刺激を受けるとわかっている単語でキーワード検索を掛けて、いつまでもくっつかないから抜糸に至らない傷口を揉んでしまう。これは悪だと思っている、助けてくれと思っている。そんな甘えた自…
無心になって具現化していくと結局のところ、結局のところ。抑制を外してはいけない、外に向けていいはずがない。誰のことも責めたくないし、できれば優しくありたいのだ。ありたい自分であるために綺麗に潰されて畳まれている自分がいて、ぎりぎりで貼り付…
忘れられないのはいつも息を詰めている姿。じりじりと舌の上で転がしている熱、口腔内で膨張した空気を静かに肺に落としてゆく。静かな仕草だ、と思った。身体や意識の隅々までうるさいはずなのに、その瞬間は空気ごと黙りかえって水中のように緊張している…
「ちゃんと全部言ってね」と言われると途方に暮れてしまう。自分という箱の中にあるものをひっくり返すことは容易だけれど、それをどうして欲しいのかを口にすることができない。去年の今頃も同じようなことでのたうちまわって日記を書いた記憶がある。思い…
夏の予感がひどくていささか取り乱し気味。ベッドに横たわって、スピーカーではなくイヤホンで音を聴く。頭のなかに響く再生音、他人事のような溶けた声で意識を朦朧とさせて、うつつと夢の浅瀬を行きつ戻りつ恍惚。 外は涼しいのに風が吹き込んでこない、排…
「あれってお前と一緒だったっけ?」と言われてむっとした。というのも、あれは我々の関係性の愉快なところをぎゅっと集めたような出来事だったと思っていたからだ。それでも別に淋しくなかったのは、そうやってさらさらと記憶を流していって、ひとつも象徴…
書くべきことを書くべきところに書かずに吐き捨ててきたために数年分の思考が大変追いづらい。吐き捨てながらじゃないと思考がまとめられないとも言う。身体を楽にしているつもりでも、いつも修羅のような立ち回りでバランスをとっている。 ネイキッド! 簡…
01. 3年前の8月、ワシントン・ダレス国際空港で詩集を落とした。中学生になるかどうかくらいの頃に譲り受けて以来ずっと大切にしていた本で、旅行には必ず持って歩いていた。何かあってもこの1冊があればなんとかなる、心細くても鞄の中にこの本があると思え…
どうあったってひとり。いつかの誰かの「君は安定して不安定というか、不安定状態で安定しているというか」。安定しているので困らないけれど、安心はしていないから不安定だ。きっとマイナーコードの曲を聴いているからこうなっている、恥ずかしいほどにシ…
小沢くんを見たくてつけた昨日の音楽番組だったけれど、RADWIMPSの新曲も「新世界」かという感想が先立った。わたしのiTunesには既に5曲、「新世界」という曲が入っている。その他にもドヴォルザークだっているしね。新世界フェスに呼ばなければならないバン…
今夜のミュージックステーションには小沢くんが出るそうだ。自宅から「流動体について」やるんだって。小沢くん、去年末だったかのMステSPのときの青黒い髪がすこぶる良くて、美容師の友人に「また髪青くしたいんだけど」と連絡したけれど、歌唱中の暖色の照…
「ねえ、じゃあわたしは?」「都ちゃんは、実は私よりも、なんていうかな、気が強いというか……」「感情という意味ならそう、たぶんとても乱暴で……よく水に例えているのだけれど、わたしは、グラスか花瓶かバスタブか池かわからないけど水を持っていて、それ…
またsavexをひとつ使い切った日曜日。 初めて会ってすぐ、アラスカン・マラミュート、と思った。理由を求められたら困るけれど、ひとまずそういう印象を、そしてまだそこからブレていない。あれはおそらく接したことがほぼないのに関わらずも妙に好きな犬だ…
たまに自分がにんげんなのかどうか自信がなくなる。限りなくにんげんの振りをして彼彼女らに取り入っている醜い生き物だとしか思えない。いや、にんげんは美しいものであるのかとかそういう話ではない、ただにんげんの振りをする時点でにんげんより随分と醜…
200424(Fri.) 寝起きから思ったように体温が上がらず寒い。前日の夜、久々に体重計に乗り数字を確認してちょっと動揺していたのは確かだ。昼食にサラダでも買おうと入ったコンビニで、食べたいもの食べられそうなものが見当たらなくて、気づいたら食品コーナ…
「静かに黙って抱いていて、いま吸った酸素が爪先に届くまで動かないで」、と、書いてあるメモがいちばん上にある。昨日、「 と書いてあるメモがいちばん上にある。”昨日、「”の4文字だけ打ってなぜ手を止めたのかがわからないが、ああ、そうだ。友人に「君…
お風呂上がり、バスタオルを引き抜いたのと同時に「絵画の女になりたい」という言葉が脳の奥から転がってきた。口にしたことのない言葉の真意を探ろうと思ったけれどどうにもわからない。ただ、絵画に描かれているような裸婦なり美少女なりになりたいという…
内臓が不本意に動き回っていて腹痛がする。細くなった食のせいで胃腸が働き方を忘れていて、わたしもわたしで食の細い日々をどうやって過ごしていたのかを思い出せない。可及的速やかに食事量を戻さないといけないとは思うのだけれど、そもそも思考で食事が…
意識が浅瀬に浮上してきて、まず「仰向けじゃん」と思った。目を閉じたまま世界を探ると雨の音がする。少しお腹が痛い気もする。何か飲みたい気もする。もう朝なのか、と思いながら目を開けたら真っ暗で、天井が見えて、近くどこかにあるはずの携帯端末を引…